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星上げの儀式<流琉&マーラ>

「星上げの儀式<流琉&マーラ>」 えい様/2005.10.17

小話『星上げの儀式』

 異世界の1大陸ガイア。そのなかのコロンという学術街で毎年夏にひらかれる行事があった。それが「星上げの儀式」。それに参加しているある少年2人のお話。

「シンル、次の星できた?」
蒼い髪が夜でも目立つ少年マーラが今回の仕事の相方となっている少年をあだ名で呼ぶ。
「いや、札がごわごわして・・・・・・」
「札はきっちり入れないとだめだからな。遺族の方が思いをこめて亡くなった人の名前を書いたものなんだから・・・・・・」
マーラが流琉の作業を見守りながらそう言った。
「あのさ、この星上げの儀式なんだけど・・・・・・」
「説明がいるってこと?」
「うん」
マーラは目を瞑り呪文を丁寧に唱えて手にしている星に輝きを与え空に放つと流琉の方を向いた。
「星上げの儀式は古くからコロンに伝わっている行事。亡くなった人への弔いの儀式といえばわかりやすいかな・・・・・・。亡くなった人の遺族の方や恋人、親友とか強い絆で結ばれた人が思いをこめて札にいなくなってしまった人の名前を書く。その札を手先の器用な職人が魔法粘土でつくる星に入れる。さらにそのできあがった星を魔術師が空に上げるんだ。そしてその星を見て亡き人へ思いをはせて祈りを捧げるんだ。大体こんなとこかな」
マーラが淡々と説明をしながら自分の上げた星を見た。
「灯篭流しみたいなもの・・・・・・か」
「そっちでは流すの?」
「川にね。これも古くからやってる」
マーラが流琉の言葉に首を傾げていた。それに流琉も気付く。
「どうかしたか?」
「流しちゃうのか?」
「? 変か? 空に打ち上げるのと似ていると思うけど・・・・・・・」
「・・・・・・空に上がらなきゃだめだろ?」
「え?」
「流されたらさ、残された人たちをじっと見守ることができないじゃん。残された人もさ、流れていっちゃったらゆっくり祈りを捧げることもできないし・・・・・・」
マーラがそう言う。どこかその表情は寂しげだった。流琉はそんなマーラの様子に静かに優しく微笑むと自分の作業に戻った。
「シンル、今笑わなかったか?」
「いや・・・・・・優しいなと思って・・・・・・」
「俺が? そんなわけないだろ」
「優しい人はその事実に気が付かないもの」
「だったらシンルもじゃないの?」
「え? どこが?」
「・・・・・・なんとなく、そんな気がした」
「根拠なし」
「魔術師の勘を馬鹿にするなよ!」

 初めて会った2人だったがどこか似ているのか、少年たちはそんな言い合いをしながらも星上げの作業を進めていった。彼らがつくり、空に上げた星たちが2人を優しくあたたかい光で包んでいた・・・・・・。


                                 

おしまい♪


と、いうわけで小話つきで頂きました、えいりんとのコラボイラストでございますw
うちの「Selenite」の神流と、えいりんの「蒼い世界のなかで」のマーラを描いて頂きましたw
この二人、とてもツボです!!w
マーラはもう相変わらずかっこいいしっ(ぽっ)
神流もなんか神流らしくてものすごく嬉しいですww
えいりん、ステキなイラストありがとうございましたw
良かったらまたお相手してください(^^

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