突拍子もない行為に見ていた面々は驚き飛び上がったが、同時にかちゃり、とドアノブが回ったような音がして、壁が回転した。その奥に現れたのは、人一人が通れる幅の下り階段だ。 「隠し扉とはね。やるぅ」 楽しげに口笛を吹いたエリータに呆れた顔をして、アニスは無言で先を促した。
――「乙女の涙は慈悲深く」side-Cより。