■File:2 乙女のピンチ!? ストーキングされる女子高生を救出せよ!■ □side-D□
里奈の依頼が解決してから三日後。相変わらずトラシュー部は暇だった。
各々が好きなことをして過ごす中、明良はあくびを噛み殺しながら午後の眠気と闘っていた。
「しつれいしまーすっ」
コンコンコン、という軽いノックの後、そんな声と共にドアが開かれた。
「はーい…って、池田さんと……原田先輩!?」
「!?」
みんなの視線が一瞬にして二人にくぎ付けになる。幸なんかは驚きを隠せずに、二人を指さして口をパクパクさせていた。
「こんにちは、高崎くん」
「こ、こんにちは……」
挨拶をしたのは先日の依頼人である里奈と関係者の原田だった。皆はただぽかんとその姿を眺めるだけだ。
「あ、あの……どうしたんです、仲よく腕なんか組んじゃって……」
ひきつった笑みで明良が尋ねると、里奈はおもむろに顔を赤らめて頬に手を当てた。
「実は、私たち……付き合うことになりました」
「……はぁっ!?」
驚く声がハモる。二人は驚くトラシュー部の面々などお構いなしに、事の顛末…もとい、のろけ話を語り始めた。
「あのあと彼と話してみたら、彼、意外にいい人で……」
「い、いやぁ、里奈さんの笑顔に僕はもうどきっとして……」
「やだ、よっくんったら」
「里奈さんこそ〜」
小突きあう二人を冷めた目で見やって、トラシュー部の面々はお互いに呆れた顔を見合わせて溜息をついた。
これにて、一件落着。
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