■File:3 トラシュー部の危機!? テストと梅雨を撃退せよ!■ □side-E□
とうとう、試験当日となった。
未だ外では雨が降り続いている。この二週間の間に一度は晴れ間を覗かせたのだが、梅雨の中休みだったらしい。またすぐに雨は降りだした。
そんな、雨の降りしきる外を眺めて、幸は軽く息をついた。
窓ガラスに映った自分は明らかに疲れ果てている顔だった。目の下には今まで見たこともないようなほどくっきりとくまがうかんでいる。もしかしたら、少し痩せたかもしれない。
しかし、今日を乗り切れば、あとはなるようになる。幸は気合いを入れて頬を軽く打った。
「今から問題を配るから席につけー。携帯の電源も切れよー」
担任の川井が入ってくるなり、けだるげな声でそう言った。
とうとうだな……見てろよ、金城!
「それじゃ、はじめ」
幸は気合十分に試験問題をめくった。
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