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■File:4 武士の魂! 学祭演劇を成功させよ!■ □side-D□

 いよいよ学校祭当日となった。
 朝の八時。トラシュー部の面々は部室に集まって、この日の最終確認をしていた。
 プリントを片手に持った孝也が、全員に説明を始める。
「さて、本日の我々の行動を確認する。
 先日も言ったが、我々の学校祭での活動は主な二つだ。一つは、学校内の見回り。もう一つは、起こったトラブルへの迅速な対処。
 学校祭は朝の九時からスタートして、午後の六時に終了する。三時間ごとに見回りは交替だ。
 まず、九時から十二時。この時間帯はユイとアキだ。大丈夫だな?」
 二人はこくりとうなづく。
「そして十二時から十五時…つまり午後の三時までは俺とサチ。これも異存はないな?」
 幸がうなづいた。
「で、残りの十五時から十九時までがトキとヒナだ。いいな?」
 二人はうなづいた。雛子はまだ機嫌が直っていないようで、むすっとした顔をしている。
「それじゃ、今日は頑張ってくれ。自力でトラブルが解決できないようなら応援を頼むこと。以上だ」


 こうして学校祭が始まった。
 初めの見回りは結衣と明良だ。二人は外の出店を眺めながら、何気なく会話する。
「学校祭が一日だけなんて、ちょっと寂しいね」
「そうですね……他の高校は二日から三日ほどだそうですが」
「うちの学校って変わってるんだよ、やっぱり。勉学に差し支えるからって、ろくな授業もしてないのに」
「ユイ、すこし控えた方が……」
 結衣の辛辣な言葉に冷や汗をかいて明良がとがめると、結衣は明良の言わんとしていることを察して笑った。
「そうだね、ごめんねアキちゃん」
「いえ…そういえば、ヒナ先輩のクラスの劇、午後の二時からでしたっけ…」
 学校祭のパンフレットを思い返しながら明良が話題をそらすと、結衣はパンフレットをショルダーポーチから取りだしてうなづいた。
「うん、そう。一番いい時間だよね〜」
「自分達はクラスの当番だから見れませんね……残念です」
 結衣と明良のクラスは出店である。焼き鳥を売っているのだが、今通りすがりに見た感じではあまり忙しそうではない。
「………」
 結衣はその様子をしばらく眺めて、明良の袖を引っ張った。
「ねぇ、アキちゃん」
「なんですか?」
 結衣は明良に耳を貸すように手招きすると、こそこそと耳打ちした。
「……えぇぇぇ!?」
 その内容に思わず驚いて結衣を見ると、結衣はにっこりと満面の笑みでこちらを見ていた。

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