■モノクロの君へ■

蒼く澄み渡る空　流れる白い雲
見つめる君の瞳はどこかうつろで
ただひと言　飛びたいと言った

寄せては返す波　あと引く海の音
目を閉じて耳を澄ませた君は
ただひと言　沈みたいと言った

悲しいという君が悲しくて
僕は声を掛けることも出来ずに
ただ悲しがる君を見ている

あの虹はきっと　君には見えていないんだろうな
見せてあげたいよ　すごく綺麗なんだ
でもきっと　君は聞いてくれないんだろうな
僕の声はきっと　遠すぎて届かないよ

救いたいだなんて大層な事は言わないよ
ただ　君のそのモノクロの世界に
少し　色を付けてあげたいだけ

君はこの世界が汚れているというけれど
綺麗なものだってたくさんあるよ
たとえば　海を染める朝焼けとか
山間に沈む夕日とか
君は見ようとしないけれど
いつか　見せてあげたいな

見せてあげたいな